
中古車の購入を検討しているものの、買ってはいけない時期があるのではないかと不安に感じていませんか。せっかくの大きな買い物で失敗や後悔はしたくないものです。
実際、中古車の価格が下がる時期はいつなのか、中古車は何月に買うのがお得なのか、といった疑問を持つのは当然のことです。また、タイミングだけでなく、そもそも買ってはいけない中古車の特徴を知っておくことも、賢い選択をする上では欠かせません。
この記事では、中古車買うなら何月が良いかという具体的な時期の解説から、避けるべき車の見極め方まで、あなたが安心して最適な一台を見つけるための情報を網羅的に解説します。
- 買ってはいけない中古車の具体的な特徴
- 中古車の価格が下がりやすい時期や月
- 税金面で損をしないための購入タイミング
- お得に購入するための交渉のコツやポイント
中古車に買ってはいけない時期はあるのか

- 明確に買ってはいけない特定の時期はない
- 時期より知るべき買ってはいけない中古車の特徴
- 買ってはいけない車の状態を見分けるコツ
- 需要期である3月の購入は避けるべきか
- 税金で損しないための購入タイミングとは
明確に買ってはいけない特定の時期はない

中古車の購入を考える際、「この時期だけは絶対に買ってはいけない」という明確なタイミングは、実は存在しません。新車と異なり、中古車はすべてが一点物であり、同じ車種・年式・グレードであっても、走行距離や内外装の状態、装備品は一台一台異なります。
このため、最も大切なのは、ご自身が希望する条件に合った一台が見つかったタイミングを逃さないことです。たとえ一般的に価格が高いとされる時期であっても、それを逃せば二度と同じ状態の車には出会えない可能性があります。
言ってしまえば、中古車探しは「一期一会」です。したがって、特定の「時期」に固執しすぎるのではなく、欲しいと思える車に出会った時が最適な「買い時」であると考えるのが基本スタンスとなります。ただし、購入を検討する上で価格が変動しやすい時期や、税金面で有利・不利になるタイミングがあるのは事実です。これらを知識として持っておくことで、より賢く、納得のいく購入が可能になります。
時期より知るべき買ってはいけない中古車の特徴

中古車選びでは、購入する「時期」を気にするよりも、購入を避けるべき「車の状態」を見極めることの方がはるかに大切です。いくら安い時期に購入できたとしても、すぐに故障して高額な修理費がかかってしまっては、結果的に大きな損をしてしまいます。
買ってはいけない中古車の代表例として挙げられるのが、「修復歴車」や「水没車」です。修復歴車とは、車の骨格(フレーム)部分を修理・交換した経歴のある車を指します。骨格部分の損傷は、走行安定性や安全性に深刻な影響を及ぼす可能性があり、たとえ修理済みであっても将来的に不具合が発生するリスクを抱えています。
また、台風やゲリラ豪雨などで水に浸かってしまった水没車も注意が必要です。エンジンやトランスミッション、電気系統にダメージが及んでいる場合が多く、購入後に次々とトラブルが発生するケースが少なくありません。これらの車は相場より安く販売されていることがありますが、その安さには明確な理由があることを理解しておく必要があります。
買ってはいけない車の状態を見分けるコツ

安心して乗れる中古車を選ぶためには、ご自身の目で車の状態をチェックすることが鍵となります。専門的な知識がなくても、いくつかのポイントを押さえておけば、リスクの高い車を避ける一助となります。
エンジン周りの確認
まず、販売店で実車を確認する際は、エンジンをかけてもらいましょう。エンジンがスムーズにかかるか、アイドリングは安定しているかを確認します。アクセルを踏み込んだ際に異音がしたり、マフラーから白煙や黒煙が出たりする車は、エンジン内部に何らかの問題を抱えている可能性があります。また、エンジンルームを開けて、オイル漏れの跡やひどいサビがないかもチェックしておきたいポイントです。
外装・下回りの確認
車体の傷やへこみはもちろん、パネルとパネルの隙間が均一かどうかも確認してください。隙間が左右で異なると、過去に修理された痕跡であることも考えられます。可能であれば、スマートフォンのライトなどを使って車の下回りを覗き込み、マフラーやフレームにひどい腐食がないかを確認することもおすすめします。特に降雪地域で使われていた車は、融雪剤の影響で下回りが錆びやすい傾向にあります。
車内・電装系の確認
車内に乗り込み、シートの汚れや破れ、タバコやペットなどの気になる臭いがないかを確認します。エアコンを実際に作動させて、冷暖房がしっかり効くかも試しておきましょう。パワーウィンドウやカーナビ、オーディオといった電装系の装備も一通り操作し、正常に動作するかをチェックすることが大切です。これらの細かな確認が、購入後の思わぬ出費を防ぐことに繋がります。
需要期である3月の購入は避けるべきか

中古車業界において3月は、新生活の準備などで車の需要が一年で最も高まる繁忙期にあたります。多くの人が車を求めるため、中古車の価格は全体的に上昇する傾向が見られます。販売店側も強気の価格設定をしやすく、値引き交渉に応じてもらいにくい時期とも考えられます。
このような理由から、少しでも安く購入したいと考えるのであれば、3月は避けた方が賢明かもしれません。需要が集中するため、人気車種はすぐに売れてしまい、じっくりと吟味する時間的な余裕も少なくなりがちです。
一方で、3月は買い替え需要も多いため、中古車市場に流通する車の台数が最も多くなる時期でもあります。つまり、在庫が豊富で、多様な選択肢の中から比較検討できるというメリットが存在します。価格よりも、豊富な選択肢の中から理想の一台を見つけたいと考える方にとっては、一概に悪い時期とは言えません。ご自身の優先順位を明確にして、購入時期を判断することが求められます。
税金で損しないための購入タイミングとは

中古車を購入する際には、本体価格だけでなく、税金の支払いタイミングも考慮に入れると、わずかですが無駄な出費を抑えることができます。特に軽自動車と普通車では税金の仕組みが異なるため、それぞれの特性を理解しておきましょう。
軽自動車は4月2日以降の購入がお得
毎年支払う軽自動車税は、その年の4月1日時点の所有者に対して課税されます。これを理解した上で考えると、4月2日以降に購入手続き(名義変更)を完了させれば、その年度の軽自動車税を支払う必要はありません。逆に3月中に購入してしまうと、すぐに次の年度の納税通知書が届くことになります。購入を急がないのであれば、4月に入ってから手続きを進めるのが賢い選択です。
普通車は月初(つきはじめ)の購入が有利
普通車の自動車税は、購入した月の翌月から年度末(3月)までの分を月割りで支払う仕組みです。例えば、月末の30日に購入しても、月初めの1日に購入しても、その月の自動車税はかかりません。しかし、翌月からの課税開始となるため、1日に購入すれば、ほぼ1ヶ月分の税金を支払うことなく車に乗れる計算になります。金額的な差は大きくありませんが、少しでも負担を減らしたい場合は、月の初めに登録手続きを済ませることをおすすめします。
購入(登録)日 | 納税対象月 | 解説 |
5月1日 | 6月~翌年3月分 | 5月分の自動車税はかからない |
5月31日 | 6月~翌年3月分 | 5月分の自動車税はかからない |
6月1日 | 7月~翌年3月分 | 6月分の自動車税はかからない |
中古車で買ってはいけない時期を避ける買い方

- 解説!中古車の価格が下がる時期はいつ?
- 年間で狙い目!中古車は何月に買うのがお得か
- 閑散期狙い!中古車買うなら何月が良いか
- モデルチェンジ後は価格が下がるチャンス
- 決算期やボーナス商戦もお得なタイミング
- 購入意思を伝えてお得に交渉するコツ
解説!中古車の価格が下がる時期はいつ?

中古車の価格は、需要と供給のバランスによって決まります。つまり、車を買いたい人が減る(需要が減る)時期や、市場に出回る中古車の台数が増える(供給が増える)時期に、価格は下がりやすくなります。
具体的に価格が下がりやすいのは、自動車業界の繁忙期が終わった後です。例えば、一年で最も需要が高まる3月の決算期が終わった後の4月から5月にかけては、需要が一旦落ち着くため、価格が下落する傾向にあります。この時期を「閑散期」と呼び、中古車をお得に購入する絶好のチャンスと考えられます。
また、新型モデルへの買い替えが進む「モデルチェンジ後」も、旧型モデルが中古車市場に多く出回るため供給過多になりやすく、価格が下がる要因となります。このように、中古車をお得に手に入れるためには、市場全体の流れを理解し、需要が落ち着くタイミングを狙うことが一つの鍵となります。
年間で狙い目!中古車は何月に買うのがお得か

前述の通り、中古車の価格は年間を通じて変動しますが、特にお得に購入しやすい「狙い目の月」がいくつか存在します。これらの時期を知っておくことで、同じ車でもより有利な条件で購入できる可能性が高まります。
最も代表的な狙い目の時期は、決算期直後の4月~5月です。3月の繁忙期が過ぎ去り、販売店の売上が落ち着くこの時期は、在庫車を少しでも減らすために価格交渉に応じてもらいやすくなります。
もう一つの狙い目は、自動車の年式が1年古くなる1月です。年式が切り替わることで中古車としての価値が一段階下がるため、販売店は年内に在庫を売り切りたいと考えます。このため、12月の歳末セールから1月にかけては、価格が下がりやすいタイミングと言えます。
時期 | 特徴 | メリット | デメリット |
4月~5月 | 閑散期 | 価格が下がりやすく、交渉もしやすい | 3月に人気車が売れて在庫が減っている可能性 |
9月~10月 | 中間決算期後 | 中間決算セールで価格が下がる可能性がある | 年度末決算ほどの大きな値引きは期待しにくい |
12月~1月 | 年末・年始 | 年式が切り替わるため価格が下がりやすい | 年末年始は販売店が休業する場合がある |
閑散期狙い!中古車買うなら何月が良いか

中古車購入において、価格面で最もメリットが大きいのは閑散期です。具体的には、新生活に向けた需要が落ち着く4月から5月にかけてが、年間を通じて最もおすすめの時期と考えられます。
この時期は、3月の決算セールで売れ残った在庫車が、よりお得な価格で提供されることがあります。販売店側も月間の販売目標を達成するために、一台でも多く売りたいという気持ちが強くなるため、値引き交渉がしやすい状況が生まれます。
また、繁忙期に比べて来店客が少ないため、販売店のスタッフも一人ひとりのお客さまに時間をかけて丁寧に対応してくれる傾向にあります。車の状態をじっくりと確認したり、購入に関する相談をしたりするには最適な環境です。ただし、メリットばかりではなく、3月の間に人気の高い車種や状態の良い車は売れてしまっている可能性もあるため、選択肢が少なくなっている場合がある点は注意が必要です。
モデルチェンジ後は価格が下がるチャンス
新車の世界で「モデルチェンジ」が行われると、中古車市場にも大きな影響が及びます。モデルチェンジとは、自動車のデザインや性能が大幅に刷新されることで、特に内外装からエンジンまで全てが一新される「フルモデルチェンジ」の後には、大きな価格変動が起こります。
フルモデルチェンジによって新型が登場すると、それまでのモデルは「旧型」となります。新しいもの好きのユーザーが新型へ買い替えるため、旧型モデルが中古車市場に大量に流入します。供給台数が一気に増えることで、市場原理に従い、旧型モデルの中古車価格は大きく下落するのです。
旧型といっても、性能が著しく劣るわけではありません。最新のデザインや機能に強いこだわりがなければ、モデルチェンジ直後の旧型モデルは、非常にコストパフォーマンスが高い選択肢となります。希望する車種のモデルチェンジの情報を事前にキャッチしておくことで、絶好の購入タイミングを掴むことができます。
決算期やボーナス商戦もお得なタイミング

多くの販売店にとって重要な時期である「決算期」や、消費者の財布の紐が緩む「ボーナス商戦」も、中古車をお得に手に入れるチャンスとなり得ます。
多くの企業の年度末決算期にあたる2月から3月は、販売店が売上目標を達成するために一台でも多く販売したいと考える時期です。このため、通常よりも値引き交渉がしやすくなったり、お得なキャンペーンが実施されたりすることが多くなります。同様に、9月の中間決算期も狙い目です。
また、夏のボーナスが支給される6月から7月、冬のボーナス時期である12月も、消費者の購買意欲を刺激するためのセールが行われやすいタイミングです。車という高額な買い物は、まとまった資金が手に入るボーナス時期に検討する人が多いため、販売店側もその需要を逃すまいと販売に力を入れます。これらの時期に合わせて購入計画を立てるのも、賢い方法の一つです。
購入意思を伝えてお得に交渉するコツ
希望の車を見つけ、有利な条件を引き出すためには、ただ「安くしてほしい」と伝えるだけでは不十分です。効果的な交渉には、いくつかのコツがあります。
最も大切なのは、販売店の担当者に「購入する意思が固い」ことを明確に伝えることです。例えば、「今日、条件が合えば契約するつもりで来ました」といった具体的な言葉で熱意を示すと、担当者も本気で交渉に応じてくれやすくなります。販売店からすれば、買う気があるか分からない顧客よりも、購入意欲の高い顧客を優先したいと考えるのは自然なことです。
また、車両本体価格の値引きが難しい場合は、他の部分でサービスを交渉するのも有効な手段です。例えば、納車費用や車庫証明の代行費用といった諸費用の一部をカットしてもらったり、保証期間の延長や納車前のオイル交換などをサービスしてもらったりといった交渉も考えられます。無理な値引きを要求するのではなく、お互いが気持ちよく取引できる着地点を探る姿勢が、結果的に良い条件を引き出すことに繋がります。
まとめ:中古車の買ってはいけない時期と買い時
- 明確に「買ってはいけない時期」というものは存在しない
- 欲しいと思った時が買い時というのが中古車選びの基本
- 時期よりも車のコンディションを見極めることが最も大切
- 修復歴車や水没車は価格が安くても避けるべき代表例
- 車の状態はエンジンや内外装、下回りを自分の目で確認する
- 繁忙期である3月は価格が上昇しやすく交渉も難しい傾向にある
- 軽自動車の購入は税金面で4月2日以降がお得
- 普通車は月初に登録するとその月の自動車税負担が軽くなる
- 中古車が最も安くなりやすいのは閑散期の4月から5月
- 企業の決算期である2-3月や9月も値引きのチャンス
- フルモデルチェンジが行われると旧型モデルが安くなる
- ボーナス期の6-7月や12月もセールが期待できる
- 大型連休の後も需要が落ち着き価格が下がりやすい
- 購入する意思を明確に伝えることが交渉の鍵となる
- 無理な値引き要求はせず良好な関係を築く姿勢が大切